スロベニアは、3ヶ国語を喋れる人はわんさかいます。英語でつまずいている人はまずいません。
イタリアやオーストリア、ハンガリーの国境付近に住んでいる人はそれぞれの言葉を義務教育時代に勉強しますので、普通にバイリンガルになってしまいます。
一般的に、おそらく60代以降の人は、英語は流暢ではないかもしれません。しかし、クロアチア語、セルビア語、ドイツ語を理解する人は多いでしょう。一方で、30代以下の世代にとって、英語ができるのは当たり前です。大学に行っていようがいまいが、英語ができることは普通です。その代わり、クロアチア語やセルビア語は少々流暢には話せない人が多いです。ドイツ語もしっかり学んでいない人はうろ覚えの人もいます。
ただ、私たちも英語は中学生時代から高校まで6年も勉強しています。しかし未だにも英語を話すため、理解するための教材があふれています。それなのになかなか使えるようならない。なんでなのー?!?!?!
では少しずつ説明していきます。
その1:吹き替えがない!
スロベニアではよくアメリカ、スペインなどのドラマ、ディズニーのアニメがテレビで放映されています。しかし、吹き替えがありません。(近年吹き替えが出始めましたが)小さい子供が字幕を読んで、ネイティブの英語(外国語を)聞いているんですね。
ただ友人の話によると、字幕を読んでいるわけではないらしいです(笑)とにかく聞いて、アニメの表情などを照らし合わせ、ストーリーを理解するらしいです。みんな、実はよく覚えてはいないけど、自然にわかるようになるんだって言ってました。
クロアチア人の友達の話ですが、12〜3歳の時スペインドラマが流行っていたらしいです。今でも「私は妊娠しています。」とか「死んでやる〜!」とかいう言葉をスペイン語で言えると言っていました(笑)留学生時代、彼女はスペイン人の人といろいろ話したそうです。彼はスペイン語で彼女に話して、彼女は英語で答える、というようにコミュニケーションをしていたそうです。ネイティブの自然な発音、言葉遣いを聞くことが大事なんだなと身にしみました。
その2:外国語を習う時期が早い
日本では(私の時代ですが)外国語を日本で習うのは中学1年生からですね。しかし今、スロベニアではなんと9歳から英語教育が小学校で始まっています。まぁ、それ以前からアニメなどで英語は聞いているので、なんというのでしょうか。専門家の間では、早すぎる外国語教育はよくないとあるみたいですけど、IQが低くなっても実際に使える外国語力を身につけているスロベニア人を羨ましく思います。
その3:試験が厳しい
スロベニアでの義務教育や高校卒業試験の言語試験は2種類あります。口頭試験と筆記試験です。日本では筆記試験のみですよね。しかし、ここは口頭試験もあるのです。外国語で質問を理解し、外国語で答える。しかも普通に落第また留年も容赦なくありますから、真剣に勉強するわけです。
また高校生になると、学生は英語の他にも外国語を選択しなければなりません。今では地域に限らず、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語というようにヨーロッパの言語が中心となり、どれかを選択し勉強します。もちろんきちんと口頭試験と筆記試験があります。
大学で外国語を勉強している学生たちの課題も本格的です。授業はもちろん母国語なし!
先生も学生も勉強している言語で授業を受けます。原書で小説、エッセイ、哲学書などを読み、感想をその言語でレポートにまとめ提出。試験期間中には口頭試験と筆記試験に備えているんです。そりゃ敵いませんよねー(涙)
その4:先生のレベルが高い!
また外国語の先生のレベルも高い!日本では英語の先生でもあまり喋れない人が多くいますが、スロベニアでは論外です。大学時代、英語を外国語としてとったのですが先生のブリティッシュイングリッシュのアクセントといったら!完璧です。その他の外国語だって完璧。韓国語、中国語、ラテン系の言葉、中東の言葉などなど様々な学科がありまして、教授レベルだったら専門書も読めるほどのレベルなんです。
実はリュブリャナには日本語学科があります。日本人の教授もいますけど、スロベニア人の教授の皆さんの日本語も高いんです。漢字も読み書きできますし、もちろん話もわかるし、本当に頭が下がる思いです。
その5:歴史
ヨーロッパの大国、ドイツやフランス、スペイン、イタリアは正直、日本人のように外国語に自信がない人が多いと思います。もちろんできるんだけど話したがらないんですよね。ただスロベニアは小国。歴史的にもオーストリアの支配を6世紀にも渡って受けてきたんです。
スロベニアの大学ができたのは1919年のこと。それ以前はオーストリアのウィーンへ行かないと大学教育は受けれませんでした。つまりドイツ語は高等教育を希望する者にとっては必須だったんです。
また第一次世界大戦後、プリモルスカ地方はイタリア領となりましたし、旧ユーゴスラビアの公用語はセルボ・クロアチア語。外国語を話せないと生きてはいけない状況があったんですね。そりゃ、死ぬ気で覚えますよね。
まとめ
歴史は変えられませんけど、やっぱりテストの種類や先生のレベルを上げるっていうのこれからの日本にできることのはずです。
口頭試験は本当に大事だと思います。試験のための勉強じゃなくて、使えるようになる語学の勉強ができればいいのになと本当に思います。
日本の教育もノーベル賞の受賞者が多いので評価されているかもしれないですけど、スロベニアの教育だって負けてないと本当に思います。
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