実は6月23日にNHKのちきゅうラジオの世界のイチメンというコーナーに出演しました。世界のニュースを紹介するコーナーなのですが、私はこの世界ハチの日をお話しさせていただきました。2018年、Wold Bee Dayが5月20日に制定されましたのですが、これは国連が制定しましたが、スロベニア主導で進められたプロジェクトだとご存知でしたか?
そもそもハチの日って何?必要なの??と思われる方がいらっしゃると思います。私もその一人でした。これには大きな問題、スロベニアの産業が絡んでいます。
養蜂大国:スロベニア
実はスロベニアは養蜂大国です。1000人に4人の割合で養蜂家がいまして、この割合はEUでトップ。養蜂の開始は13世紀中頃に確認されているので、もう600年も続くスロベニアで大切な産業です。
しかもスロベニア人なら誰もが知っている、アントン・ヤンシャ(1734-1773) という養蜂家がいます。彼は現代養蜂のパイオニアです。彼の技術は女帝マリア・テレジアも知るところとなり、実際ウィーンに招待され養蜂技術を教えることになりました。彼の死後、その技術は本として残され技は引き継がれました。
スロベニア特有のはたらきバチ:カルニオランバチ
蜂蜜に欠かせないのが、ハチです!養蜂家の技術だけでなく、スロベニアには優れたハチがいるんですね。それがカルニオランバチ。攻撃的でなく穏やかで、餌もそれほどいらず、方向感覚が優れているハチです。このハチ無くして、スロベニアの蜂蜜は作れません。
ハチの減少
しかしながら、スロベニアだけでなく世界規模でミツバチの減少問題が報告されています。日本でもミツバチの減少が問題となっているそうなのですが、CCD=蜂群崩壊症候群と言って、みつばちの群れが巣へ帰って来ずいなくなってしまう減少がヨーロッパ、アメリカ、中南米、インド、中国でも報告されているのです。
ハチの役割
しかし、蜂蜜がなくても生きていけるよっていう人もいますよね。しかし、国連の食料農業機関FAOは、主要穀物の90%は受粉によって作られており、このままだと多くの野菜や果物が収穫できず、飢餓を救うことができないばかりか食物の安全保障ができない、と警告する事態になりました。
スロベニア主導で進んだわけ
スロベニアはこの事態を2015年、つまり3年前から国連に訴えていました。養蜂の歴史もあり、問題意識も高く、しかも2011年にいち早く、ハチの減少になるのではないかと言われている農薬の使用を中止した国として、ハチの日の制定に関わりました。しかも5月20日はアントン・ヤンシャの誕生日なんです。
このニュースはスロベニアで大きく報道されました。
私もスロベニアの養蜂、環境問題、食べ物について考える機会となり、勉強になりました。
ラジオで話す機会もいただき、微々たるものながらスロベニアの魅力や可能性も伝えることができたのではないか、と思います。
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